
一昨年の12月に日韓関係の仕事で行って以来、実に一年四ヶ月ぶりに沖縄を訪れた。去年はほんとばたばたしていたから、なかなか行けなかったのだが、やはり定期的に沖縄に行かないといけないなあ、と久しぶりに訪れて反省しかり・・・僕にとって沖縄とはまず食文化の沖縄である(まあこれはどこも同じかも)。

那覇空港に到着するとすぐにレンタカーを借りて宿泊ホテルに立ち寄った後、まず行かねばならないのが、国際通りから入った牧志の公設市場だ。映画「なだそうそう」でもロケ地になっていたなあと思いながら、久しぶりに奥まった入り口から入るとそこはパラダイスだ。

勧められるまま島らっきょを口にするとやはり沖縄に来たのだということをひしひしと実感する。肉屋や魚屋を横目にエスカレーターで二階にあがって、たくさんある食堂の中でいつもの
「きらく」に行く。「いやあ、久しぶりっ!」、店主が覚えていてくれたのがうれしい。

まずは一合飲みきりの泡盛を注文し、次いで海ぶどう、島らっきょ、ゴーヤチャンプルーを立て続けに注文する。この三点セット、あるいはらふていを加えた四点セットが基本でしょ、やっぱり!僕は特に海ぶどうが好き!!!潮の香りとぷちぷち感がたまらない。内地ではなかなか食べれない極上の海ぶどう。

実は、前日、吉祥寺の「ニライカナイ」という沖縄料理屋で飲み会があり、沖縄料理は海ぶどうから島蛸にいたるまで、泡盛も菊之露や久米仙などすでに予習済みだったのだが、微妙に残る泡盛の酔いは、このきらくでの新たな出会いによって吹き飛んでしまった。

夜は、那覇のシックな店が散在している松山界隈の「松やま」という和琉料理屋のカウンターで思い出の沖縄料理コースをいただいた。お供の泡盛は忠幸と神村酒造のやつ。でもいきなり我が祖国富山のホタルイカが出てきたのには驚いた。アーサーの茶碗蒸し、ソーメンチャンプルー、そしてもずくとその上のキリン菜。

らふてい、そーき、てびちなどなど、沖縄料理を堪能しました。ゆず味のミミガーもよかったな、ほんと。翌日は、沖縄のベストロケーションのカフェくるくなで自慢のカレーとやんばる鶏のセットをいただきました。斎場御嶽の近くにあり、驚いたことにいつもうこんを買っている仲善が経営していた。

その日の夜はまた、きらくにいって、同じく、海ぶどう、島らっきょ、そして今度はらふていを頼み、泡盛とちびちびやりました。一人なのでまわりの団体に圧倒されながらだったけど、その喧噪がまた心地よかった。きらくのらふていは厚いのが6枚もあって、その下に青菜があるのが特徴。

台湾系なので、炒め物が勢いのよさがまた旨さを引き出していて、最高の味でした。ラストは沖縄そばを頼んで仕上げ。数品全部一人でたいらげたので、満腹で店を後にして、ホテル前のコンビニでワンカップ久米仙を買って帰りました。これが最初から水割になっていたところが新鮮でした。

最終日は、平和記念公園近くの農園がやっているレストランで、沖縄そばセットをいただきました。もずくが練り込んである麺ではじめての味でした。デザートにサーターアンダーキーまでついてこれで800円とは恐れいりました。次回は平和記念公園、ひめゆりの塔あたりをフィールドしたいので、そのときまた来ようかな。

今回久しぶりに沖縄を訪れて改めて感じるのは、こうした食の豊かさである。ハーブや野菜が豊かだし、海藻やグルクンなどの魚といった海の幸にも恵まれている(刺身はちょっと大味だが、それは仕方がない)。独特のバイタリティが食材にあふれているので、その命をいただくと元気がでるのである。

また豚を中心とした東アジアの食肉文化も旨いのである。こう書いている間にもよだれが出る。食材の「あまみ」といったいいのだろうか、甘美なセクシーなものが沖縄料理にはあるのだ。このセクシーさとは沖縄文化全体に共通するものなのではないだろうか。

海と島のスピリチュアリティとでも言えそうである。思想家の西谷修氏が、僕の編集した『スピリチュアリティを生きる』(せりか書房)で、僕のインタビューに答えてそう言っていたことがよくよく理解される。

海ぶどうと泡盛で始まり、沖縄そばで終わった今回の沖縄の旅は、僕の人生に大きな影響を与えたことは間違いがない。帰りに那覇空港で、松やまで飲んだ忠幸と神村酒造の幻滴を買って飛行機に乗り込んだ。文字通り後ろ髪をひかれる想いでそうして僕は沖縄を後にしたのだった。

また、すぐ行きたいと思います・・・・・・かくして私は沖縄研究者となったのだった・・・